1.これからの山鳥の森が目指す方向
これからの山鳥の森は、キャンプ場としての宿泊の場にとどまらず、 阿蘇くじゅう・小国郷の自然や里山に息づく「営み」を感じ取れる、 ひとつの入り口(ハブ)のような役割も担っていきたいと考えています。
天候や季節の移ろい、草原や森の変化。そして、この土地で続いてきた文化や人の営み。 そうした背景を、観光のためにつくられた演出ではなく、 この土地で生き、暮らしながら山鳥の森を運営している私たち自身の、等身大の言葉で伝えていくこと。 それが、私たちの役割であり、使命だと考えています。
私たちは、令和2年7月豪雨により、この場所で自然の大きな力と向き合う経験をしました。 日常の中では穏やかに感じられる自然が、時に人の営みを超える存在であることを、身をもって知る出来事でした。 その中で、クラウドファンディングやボランティア、義援金や支援物資など、 本当に多くの方々の支えによって、山鳥の森は再びここに立つことができました。 この経験は、自然を「楽しむ対象」としてだけではなく、 どう向き合い、どう共に生きていくのかを考える、大きなきっかけとなりました。
山鳥の森は、「新しくなる」「別のものに変わる」わけではありません。 初めて訪れる方にとっては、自然と出会いなおすための入り口であり、 何度も足を運んでくださる方にとっては、その理解や関わりが、もう一歩「深まる」場所でありたいと思っています。
自然の恵みだけでなく、その厳しさや脆さも含めて知ること。 そして、この土地で続いてきた営みの延長線上に、私たち自身の今があることを感じてもらうこと。
山鳥の森での滞在が、「癒し」だけにとどまらず、水や森、里山の営みへと思いを巡らせ 「気づき」や「好奇心」を生む時間となるよう、これからはより一層環境づくりに力を入れて取り組んでいきたいと思います。
2.具体的な取り組み
この考えを形にしていくため、山鳥の森では次のような取り組みを進めていきます。
◆里山の「いま」を伝える発信
現地の天気予報、草花や鳥などの季節の便り、野焼きの状況など、 営みの現場で起きているリアルな情報を、日々発信していきます。
◆阿蘇くじゅう・小国郷を「知る・伝える・守る」につながる体験の提供
地域の自然や文化、営みに目を向けるきっかけとなる体験プログラムや 商品やお土産品の販売、飲食物の提供を行っていきます。
◆安心・安全に滞在できる拠点であり続けるための施設管理と整備
山鳥の森での滞在は、野営に近いかたちで自然の時間の流れを感じられる一方、
天候の変化や自然環境の影響を受けやすい側面もあります。
そうした前提のもと、温泉や炊事棟、トイレなどの設備管理に加え、
気象状況や周辺環境に配慮した運営を行い、お客様ができる限り安心して滞在できる環境づくりに取り組んでいきます。
3.持続可能な運営のために
これらの取り組みを一時的なものではなく、これから先も継続していくためには、
持続可能な運営体制が不可欠です。
近年のエネルギーコストの上昇や、開場から25年が経過した施設全体の維持管理を考えると、 これまでと同じ形のままでは、山鳥の森が大切にしてきた環境やサービスの質を 保ち続けることが難しいという判断に至りました。
今回、上記でお伝えしたような山鳥の森の役割を果たしながら、誠実に運営し続けていくための選択として、 宿泊料金の見直しを行うことにしました。
4.料金改定について
今回の料金改定は、一律の値上げではありません。
時期ごとの需要に応じた、5段階の料金設定を導入いたします。
◆背景として、いま起きていること
現在、ゴールデンウィーク・お盆・三連休などの特定日には、
400件を超えるキャンセル待ちをいただく状況が続いています。
たくさんの方に関心を寄せていただけることは、本当にありがたい一方で、
といった状況も見受けられるようになりました。
その結果、本来利用できたはずの機会が失われてしまうこともあり、
運営として課題を感じてきました。
◆今回の料金設計で目指すこと
すべての時期を一律に見直すのではなく、
時期ごとの状況に合わせた料金設計を行うことで、
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より実態に即した、無理のない予約のあり方
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利用機会の偏りを少しでも緩和すること
につなげていきたいと考えています。
◆平日・閑散期について
その中でも、平日・梅雨時期・冬季については、
従来よりもさらにご利用いただきやすい価格設定としています。
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静かな時間を大切にしたいソロキャンパーの方
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平日に連泊を少し贅沢に楽しみたい方
これらのお客様にとって「この時期だからこそ、山鳥の森に行きたい」
と思っていただけるような、 選択肢を広げるきっかけになればと考えています。
なお、料金については、今後の運営状況や皆さまからお寄せいただくご意見を踏まえながら、 必要に応じて見直しを行っていきたいと考えております。
5.さいごに
先代の頃からずっと「ただいま」「おかえり」、そしてお帰りの際には「いってらっしゃい」と お客さまを家族のようにお迎えしてきました。
被災や世代交代を経た今も、人と自然、人と人にどう向き合うかという姿勢は、変わらず大切にしています。
これからの山鳥の森は、泊まる場所にとどまらず、阿蘇くじゅう・小国郷の自然や里山の営みと出会いなおす ひとつの「入り口」でありたいと考えています。
これからも、心からの「おかえりなさい」が言える場所であり続けられるように。
できることから一つひとつ、環境を整えていきます。
この先の25年も、山鳥の森は、皆さまと一緒に歩んでいきたいと思っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。