秋田といえば何が有名？

秋田といえば、やはりまず思い浮かぶのが伝統行事「なまはげ」や、夜空を照らす「秋田竿燈まつり」といった地域色あふれる文化です。秋田犬のふるさととしても知られ、忠誠心にあふれるその姿に多くのファンがいます。また、寒い気候を活かした発酵文化や保存食の技術が根付き、きりたんぽ鍋やいぶりがっこといった秋田独自のグルメも高い人気を誇ります。自然面では、十和田湖や男鹿半島など雄大な景観が広がり、春夏秋冬それぞれに異なる表情を見せてくれます。さらに、稲庭うどんや日本酒、川連漆器といった工芸品や食品も充実しており、観光客を飽きさせない要素が満載です。秋田は、文化・自然・食の魅力が絶妙に調和した、訪れるたびに新たな発見がある旅先です。

なまはげ

出典；PhotoAC

秋田県を代表する伝統行事「なまはげ」は、男鹿半島を中心に古くから伝わる民俗文化で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

毎年大晦日に行われる「なまはげ行事」では、鬼のような面をかぶり藁の衣装をまとった男たちが「泣ぐ子はいねが〜！」と叫びながら家々をまわり、怠け者や悪い子を戒め、災いを追い払うというもの。この儀式は地域の子どもたちに「働くことの大切さ」「感謝の心」を教える意味も込められており、世代を超えて受け継がれてきました。

実際の衣装を見たり、なまはげ役になったりと、観光客にもわかりやすく伝統を紹介する施設として人気です。毎年2月には「なまはげ柴灯（せど）まつり」が開催され、幻想的な雪景色の中で松明を掲げたなまはげが現れる光景は、迫力満点。秋田を訪れるなら、この力強い文化体験はぜひ一度味わってみたいポイントのひとつです。

秋田竿燈まつり

出典；PhotoAC

秋田の夏を彩る一大イベントといえば「秋田竿燈（かんとう）まつり」です。東北三大祭りのひとつに数えられ、毎年8月3日から6日までの4日間、秋田市の中心部で開催されます。竿燈とは、竹でできた長い竿に多数の提灯を取り付けたもので、提灯は五穀豊穣を願う稲穂に見立てられています。最大12メートルを超える竿燈を額や腰、肩などに乗せてバランスを取りながら練り歩く演技は、見る人を圧倒する迫力と美しさを兼ね備えた伝統芸能です。日が沈み始めるとともに提灯に灯りがともされ、夜空に幻想的な光の稲穂が揺れる光景は、秋田の夏の風物詩として多くの観光客を魅了しています。まつりの期間中は市内が一体となり、地元の人々の熱気と歓声が響きわたります。また、昼間には「妙技会」と呼ばれる演技競技が開催され、演者たちの技術やバランス感覚の高さを間近で楽しむことができます。竿燈の持ち方や動きは代々受け継がれており、地域の誇りと精神が息づく祭りです。観光だけでなく、秋田の伝統と文化の奥深さを体感できる貴重な機会として、ぜひ訪れてみてください。

角館武家屋敷通り

出典；PhotoAC

「みちのくの小京都」と呼ばれる角館（かくのだて）は、秋田県仙北市にある歴史情緒あふれるエリアで、中でも「武家屋敷通り」は町の象徴的な存在です。江戸時代の城下町の面影を色濃く残すこの通りには、格式ある武家屋敷が今もなお保存されており、当時の建築様式や生活様式を感じられる貴重な空間となっています。通りを歩くと、黒板塀やしだれ桜が風情を添え、まるで時代をさかのぼったような気分に浸れるのが魅力です。春になると通り沿いのしだれ桜が一斉に咲き誇り、桜のトンネルのような景観が広がることから、全国屈指の花見スポットとしても有名です。また、「青柳家」や「石黒家」などの武家屋敷は一般公開されており、武具や調度品、資料などから当時の暮らしを学ぶことができます。電車・車ともにアクセスしやすく、秋田観光ではぜひ立ち寄っておきたいスポットのひとつです。

きりたんぽ

出典；PhotoAC

秋田の郷土料理として全国的に知られている「きりたんぽ」は、つぶしたご飯を杉の棒に巻き付けて香ばしく焼き上げたものです。そのまま食べることもできますが、一般的には比内地鶏のだしで煮込む「きりたんぽ鍋」として提供され、秋田の家庭や飲食店で親しまれています。

余ったご飯を再利用するための知恵が、現在では地域を代表する名物料理にまで発展しました。家庭ごとに味付けや具材に違いがあり、大根、ゴボウ、セリ、舞茸などの地元野菜と一緒に煮込まれることで、より深い味わいが生まれます。

秋田県内では、スーパーや道の駅、専門店で手軽に持ち帰れるセット商品も充実しており、観光客にも人気。お土産としても喜ばれるほか、自宅で秋田の味を再現できるのも魅力です。秋田を訪れたら、ぜひ現地で本場の味を堪能し、その素朴ながらも奥深い美味しさを体験してみてください。

いぶりがっこ

出典；PhotoAC

秋田ならではの保存食文化を象徴する「いぶりがっこ」は、燻製にした大根を米ぬかで漬け込んだ漬物で、独特の香ばしさと深い味わいが特徴です。もともとは、秋田県の雪深い内陸部で冬の間に野菜を保存するための知恵として生まれた伝統食品。気温や湿度が低く、天日干しが難しい気候に適応する形で、囲炉裏の煙で燻すという方法が生まれました。その結果、スモーキーな香りとコリコリとした食感を持つ唯一無二の漬物が完成したのです。いぶりがっこは単体でもおいしいのはもちろん、クリームチーズとの相性が抜群で、最近では和洋折衷の酒肴としても人気が高まっています。

また、地域によっては自家製のいぶりがっこを作る家庭もあり、家ごとのレシピや燻製の香りに個性が表れるのも魅力のひとつ。秋田の冬を支えてきた伝統的な食文化であるいぶりがっこは、手土産にも、自分へのご褒美にもぴったりな逸品です。

乳頭温泉郷

出典；PhotoAC

秋田県を代表する秘湯地「乳頭温泉郷（にゅうとうおんせんきょう）」は、十和田八幡平国立公園内の山深い自然に囲まれた場所にあり、7つの個性豊かな温泉宿が点在する温泉郷です。

それぞれが自家源泉を持ち、泉質や風景、雰囲気が異なるため、湯めぐりを楽しむ観光客が後を絶ちません。中でも全国的にも有名な「鶴の湯温泉」は、茅葺き屋根の建物と白濁した湯が特徴で、まさに“秘湯の王者”と称される人気スポットとなっています。乳頭温泉郷の魅力は、自然との一体感。四季折々に姿を変えるブナ林や川のせせらぎを感じながら、混浴や貸切風呂など様々なスタイルで湯浴みが楽しめます。冬には雪見風呂、秋には紅葉露天風呂と、訪れる季節によって異なる趣を堪能できるのも大きな魅力です。

都会の喧騒を離れ、心身ともにリセットしたい方にはぴったりの癒しの地。日常では味わえない静けさとあたたかさに包まれるひとときが、きっと忘れられない旅の思い出となるはずです。

秋田へ旅行しよう！

秋田県には、他の地域では味わえないような文化・自然・食がぎゅっと詰まっています。なまはげに代表される伝統文化や、夏の夜を熱くする竿燈まつりなど、地域に根ざした風習はどれも力強く、人々の暮らしと密接につながっています。忠犬ハチ公で知られる秋田犬や、きりたんぽ、いぶりがっこといったご当地グルメは、旅の楽しみに彩りを加えてくれるはずです。さらに、乳頭温泉郷のような大自然の中で味わう温泉体験は、心身の疲れをゆったりと癒してくれる特別なひとときになります。季節ごとに異なる魅力があるのも秋田の大きな魅力。春は新緑と花々、夏は祭りと青空、秋は紅葉と実り、冬は雪景色と温泉と、どの季節に訪れても新しい発見と感動に出会えるでしょう。また、秋田ならではのあたたかい人々とのふれあいも、旅をさらに豊かにしてくれます。