岩手1泊2日のおすすめ観光モデルコースを紹介

岩手の1泊2日観光モデルコースは、平泉を中心に世界遺産と自然景勝地を効率よくめぐることができるプランです。1日目は「中尊寺」や「毛越寺」、「無量光院跡」など奥州藤原氏ゆかりの史跡を訪ね、歴史と文化をじっくり堪能。その合間に岩手名物「わんこそば」を味わえば、旅気分も一層盛り上がります。夜は温泉宿に滞在し、地元の旬の食材を使った料理と名湯でリラックス。2日目は岩壁に食い込むように建つ「達谷窟毘沙門堂」で圧倒的な存在感に触れ、続いて「厳美渓」の清流と奇岩が織りなす美景を楽しみます。短い日程ながらも、世界遺産、自然、美食、温泉と岩手の魅力を凝縮して体験できる充実のプランです。

岩手観光1日目のモデルコース

午前：無量光院跡と中尊寺で世界遺産を巡る

出典；PIXTA

1日目の午前は、平泉の世界遺産めぐりからスタートしましょう。まず訪れたいのは「無量光院跡」。奥州藤原氏三代・秀衡が京都の平等院鳳凰堂を模して建立したとされる寺院跡で、現在は池や礎石が残されています。度重なる火災で堂宇は失われましたが、当時の壮大さを物語る景観は今も訪れる人を魅了します。空に映える池の水面を眺めながら、悠久の時を感じるひとときを過ごせます。

続いては、平泉観光のハイライト「中尊寺」へ。奥州藤原氏初代・清衡が建立したとされ、国宝の金色堂をはじめ数多くの文化財を所蔵する名刹です。杉並木が続く参道を歩けば、歴史の重みと静謐な空気に包まれ、心が洗われるよう。中尊寺は平泉の象徴ともいえる存在で、午前中からその奥深い歴史と文化に触れることができます。

午後：芭蕉館でわんこそば体験と毛越寺参拝

出典；PIXTA

午前中に歴史散策を楽しんだあとは、岩手名物「わんこそば」に挑戦してみましょう。おすすめは元祖といわれる「芭蕉館」。風味豊かなそばつゆと自家製の更科そばが絶妙にマッチし、一口サイズで次々に運ばれるそばを味わう独特のスタイルが魅力です。薬味も多彩で、最後まで飽きずに楽しめるのも人気の理由。旅の思い出に、岩手ならではの食文化を体験してみてください。

食後は「毛越寺」へ足を運びましょう。中尊寺と同じく850年創建の世界遺産で、かつては中尊寺をしのぐ規模を誇ったといわれます。現在の本堂は再建されたものですが、広大な浄土庭園は往時の姿をよく伝えています。池泉回遊式の庭園を歩けば、平安時代の優雅な文化と奥州藤原氏の繁栄を感じることができます。歴史と美景が融合した午後のひとときは、心に残る旅のハイライトとなるでしょう。

夕方：観自在王院跡で浄土庭園を散策

出典；PIXTA

午後に毛越寺を参拝したあとは、すぐ隣に位置する「観自在王院跡」へ立ち寄りましょう。奥州藤原氏2代基衡の妻が建立した寺院跡で、国の特別史跡にも指定されています。現在は堂宇こそ残っていませんが、平安時代の浄土庭園がほぼ完全な姿で残されており、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。池に映り込む空や木々の姿は、まるで絵画のように幻想的で、夕暮れ時にはさらに趣深い雰囲気に包まれます。

静かな庭園を散策しながら、当時の人々が夢見た極楽浄土の世界に思いを馳せるのもおすすめです。観光客の少ない夕方の時間帯なら、より落ち着いた空気の中でゆっくりと過ごすことができ、1日の締めくくりにふさわしいスポットです。

夜：果実の森で温泉と癒しのひととき

出典：果実の森

1日の観光を終えたら、宿泊は「世界遺産の隠れ宿 果実の森」がおすすめです。一関市の高台に位置する温泉旅館で、夜には街明かりや月を望む露天風呂からの絶景が旅の疲れを癒してくれます。源泉かけ流しの温泉に浸かりながら、静かな夜のひとときを過ごせば心身ともにリフレッシュできるでしょう。

館内には17種類もの湯処を備える姉妹館「山桜 桃の湯」と廊下でつながっており、湯めぐりを楽しめるのも大きな魅力です。また、春から秋にかけては宿の畑でフルーツ狩りが体験でき、季節ごとの味覚も堪能できます。世界遺産観光の余韻に浸りながら、温泉と旬の恵みを楽しむ夜は、平泉旅行の最高の締めくくりになるでしょう。

岩手観光2日目のモデルコース

午前：ホテルで朝食と達谷窟毘沙門堂参拝

出典；PIXTA

2日目の朝は、宿泊先でゆったりと朝食を楽しみましょう。岩手の地元食材を使った料理を味わいながら、旅の余韻に浸るひとときは格別です。朝食後は温泉にもう一度浸かるのもおすすめ。チェックアウトまでの時間をのんびりと過ごし、心も体もリフレッシュして2日目の観光に備えましょう。

ホテルを出発したら、「達谷窟毘沙門堂（たっこくのいわやびしゃもんどう）」へ。延暦20年（801年）、坂上田村麻呂が蝦夷討伐の記念に建立したとされる歴史ある寺院です。清水寺を模した舞台造りの堂宇は岩壁に迫り立ち、その迫力に圧倒されます。堂内には平安時代の不動明王像や、岩面に刻まれた大仏があり、1200年以上の歴史を感じることができます。源頼朝や鎌倉武士も参拝した由緒ある地で、朝の清々しい空気とともに歴史ロマンを堪能しましょう。

午後：道の駅と厳美渓で自然と食を満喫

出典；PIXTA

午後は「道の駅 厳美渓」へ立ち寄りましょう。ここでは地元の新鮮な野菜や特産品を購入できるほか、一関のもち文化を紹介する展示室があるのが特徴です。レストラン「ペッタンくん」では、さまざまな味付けでもち料理を堪能でき、郷土の味に触れることができます。食文化を学びながらお土産探しも楽しめる立ち寄りスポットです。

食事や買い物を楽しんだ後は、徒歩でアクセスできる「厳美渓」へ。栗駒山の火山灰が長い年月をかけて水流に浸食されてできた渓谷で、ダイナミックな岩肌と清流が織りなす景観は国の名勝・天然記念物にも指定されています。伊達政宗や明治天皇も訪れた歴史ある名所で、エメラルドグリーンに輝く川面と迫力ある渓谷美を眺めれば、心も体も癒される午後の時間を過ごせるでしょう。

夕方：酒の民俗文化博物館で歴史と文化を学ぶ

出典：世嬉の一酒造

旅の締めくくりに「酒の民俗文化博物館」を訪れましょう。東北地方でも有数の大きさを誇る仕込み蔵を有し、酒造りに使われてきた多様な道具が展示されています。蔵の中を歩けば、昔ながらの酒造りの雰囲気を体感でき、酒好きにはたまらないスポットです。もちろんお酒だけでなく、地域の文化や歴史にも触れられるのが魅力です。

また館内には、島崎藤村や井上ひさしといった一関ゆかりの文人を紹介する「文学の蔵」も併設されており、文学と酒造文化を同時に学べる貴重な場所となっています。夕方の落ち着いた時間にじっくりと見学すれば、岩手の奥深い伝統と文化に触れながら旅を締めくくることができるでしょう。

1泊2日で岩手・平泉観光を満喫しよう！

世界遺産を有する平泉は、奥州藤原氏の栄華を今に伝える歴史的建造物や遺跡が点在し、訪れるたびに新しい発見があります。中尊寺や毛越寺で悠久の歴史に触れ、無量光院跡や達谷窟毘沙門堂で壮大なスケールの文化遺産を感じることができるのは、この地ならではの魅力です。さらに、名物のわんこそばや郷土料理を味わえば、旅の思い出は一層深まるでしょう。自然が生み出した厳美渓の絶景や、温泉で癒されるひとときも見逃せません。短い日程でも歴史・文化・食・自然をバランスよく楽しめる平泉は、夫婦やカップルの旅にもぴったり。季節ごとに異なる表情を見せる風景や行事に合わせて、何度でも訪れたくなる場所です。次回は春の桜や秋の紅葉、雪景色に包まれた冬の平泉を体験してみてはいかがでしょうか。